最近のお客様のインハウスセミナーで、ローカルスタッフと日本人スタッフがより良く共に働くための、非日本人と日本人スタッフのミックスセミナーを開催しました。その中で、お互いの良い点や改善して欲しい点を比較する「3Q Exercise」を実施したのですが、欧米人が最も残念に思う駐在員の行動の一つに、この「成田リセット (Narita reset)」があったのです。
「成田離婚」ならよく聞くけど、はて「成田リセットとは?」と最初は思ったのですが、よく聞いてみると、これは海外支店のワークライフバランスや平等意識、ストレートなコミュニケーションなどを受け入れ、また取り入れて、ローカルスタッフに近い目線で共に仕事をしていた駐在員が、いざ辞令が出て帰国すると、成田に着くやいなや日本モードに戻ってしまうことを指すことがわかりました。
帰国した駐在員に、それまでの調子でメールや電話をしてもどうもトーンが違う、出張で久しぶりに欧米に来てもなぜか堅く、前のように腹を割って話してくれない、というような寂しさや不満があるのだそうです。
この点に関して弊社の講師からお伝えしましたのは、帰国した駐在員もきっと難しい立場に置かれているのだということです。せっかく海外支店のリベラルな考え方や仕事以外の趣味や家庭にも重きを置く生活を体験しても、それをそのままある程度保守的な本社に持ち込むことは非常に難しいことだからです。その駐在員の方もきっと必死で日本モードに切り替えていたのでしょう。
そうは言っても異文化で体験したプラスの点は、決して無駄になることはなくどこかで生かされていくはずです。
お互いの良い点を学び、取り入れることによって、日本人と非日本人スタッフはお互いに歩み寄ることができるのです。