皆様は、ヨーロッパでお仕事をされる中で、 上司への報告についてベルギー人が見過ごしがちな文化的な問題に気付かれたかもしれません。
日本には上下関係を重んじる傾向があるため、ヨーロッパ人は、日系企業における決断はトップがとる物と思いがちです。しかしながら、日系企業の実際の意思決定プロセスは、多くの場合組織の下方からトップに対してなされる報告書や業務の状況報告によってとられる事が多く、実質的には「ボトムアップによる意思決定プロセス」となっているともいえます。 逆にベルギーでは、トップが下した判断によってスタッフが業務を遂行する、完全なトップダウンによる意思決定となっています。
弊社セミナーに参加された日本人マネージャーから受けた質問です。 「僕のチームは僕に何も報告をして来ないんです。なぜでしょうか?」 当日はベルギー人、日本人両方が参加するミックストレーニングだったため、別室で彼の部下に弊社講師が 理由を確認したところ、その答えは、「報告書を作るよういわれた事がないから」でした。
上記のボトムアップ意思決定プロセスの例でも見られるように、日系企業ではトップが決断を下すためも、組織の下方からの報・連・相が欠かせないため、日本人マネージャーは報告書の提出を当然のこととして待っていました。 しかしながらベルギー人スタッフにとって、報告書は自ら必要性を判断して提出する物ではなく、要求されて初めて行う業務だったのです。
報告書についての期待度の違いだけを取っっても、このような文化的な違いは双方への誤解やひいては不信感につながりかねません。
ベルギー人と共に働く際には、報告書の提出などもまめにこちらから要求するようにしましょう。日本の感覚からすると面倒に感じるかもしれませんが、彼らの業務習慣を理解しようとする姿勢は 部下との強健、かつ信頼感にあふれた関係作りに役立つことでしょう。
ジャパンコンサルティングオフィスのセミナーでは、ベルギー人・ヨーロッパ人同僚や顧客と、共により効果的に働く為の情報や具体的なヒントを多数ご提供しております。
特に合同セミナーは、異なる日系企業の立場を同じくした皆様が一緒にセミナーを受けていただく為、情報交換の場としても大変有益であるとご好評をいただいております。