弊社のセミナーにおいて必ず日本人 の参加者はこういう問題を話題に出します。「ヨーロッパ人の部下に何かを頼むときに5時頃その人のデスクを見たら既に退社し たと驚くことがよくあります。なんだか当てにならない感じがします。」という不満を良く伺います。
面白いことに部下と話すとそのこと を認めないだけではなくむしろ自分のリライアビリティーを強調します。双方の印象は相反するようです。このような事例の 背景を分析すると異文化の違いに根 差しているではないかと推察されます。上下関係社会の日本では「鶴の一声」という言い回しに従って上司に指示されるとそ のタスクは必ずトッププライオリ ティーとなります。その指示は、はっきりしていようが、上司が曖昧にほのめかしていようが、部下の受け止め方は変わらない のです。
逆に、平等主義の環境で育てられた 欧州人の立場から見ると、上司に積極的に指示されない限りそのような突然の指示はその日のために自分で立てた仕事のスケ ジュールの一番下に入れても良いと とらえます。なぜなら、西洋のワーキングスタイルではそれぞれの領域が明確に分裂されており、その枠の中での個別に責任 分野の終了がもっとも大事だからで す。 つまり、上司だから当然に優先権が あるとは欧州人は感じません。そのため自分のタスク表に含まれた仕事を全て済ませることが出来ない場合は上司からのタス クを次の日に後回しにしても構わな いと信じています。
上記の問題をどのように防げばよい かと聞 かれると弊社は「クリアーコミュニ ケーションが一番大切」とお勧めします。要するに、何を何時までにやって欲しいとはっきりに部下に伝えたり相手の理解・ 賛成を常に得ることです。そうする と異文化の相違に基づいた誤解が生じることはもうないと考えます。
もし、ヨーロッパ人ともっと上手く 働きたいとお考えなら、ぜひ次回のJCOの公開ワークショップにご参加くだ さい。詳細は以下の通りです。