弊社セミナー参加者の多くの方から、以下のようなご意見を頂いています。
「現地スタッフは、自信満々で自分の能力をアピールします。あまり謙虚さがない印象を受けます。」 日本では能ある鷹は爪を隠すという精神が浸透していますので、日本人から見ると欧州人たちの自己顕示には、大きな違和感を感じるかもしれません。
一体なぜこうなっているのでしょう。
一例として、教育システムの違いが挙げられます。 ドイツでは一般的に小学4年生までの成績によって、将来進学ができるかが決められますので、子供の頃から実力を示すということが、表立って奨励されています。 先生及び周りの同級生に認められれば高評価につながりますので、自分の実力をアピールするということは非常に重要な事になります。 そのため、ドイツでは就職面接の際に「あなたの最大の弱点は何ですか」と聞かれた場合、「完璧主義すぎるところです」と答えるのが典型です。(この記事もご参照ください)
日本の社会は正反対です。例えば日本では、新しい仕事を任された時、「行き届かないところもあると思いますが、がんばります」というのが決まり文句の一つです。 欧米人が相手の場合、こういった発言は控えたほうがよいでしょう。 なぜなら、実力をアピールすることが当たり前とされている人達にとって、謙虚な振る舞いは、自信がないと受け止められてしまうからです。 最悪の場合、欧米人のボスは、自信満々の別の部下に仕事を任せてしまう、という事にもなりかねません。 (この記事もご参照ください)
また、最近は使われることも少なくなりましたが、愚息や愚妻などのようなへりくだった言い回しにも注意が必要です。 とある在独日系企業では、日本の本社宛のメールで、「微力ながら」や「改善の余地がありますのでご指導ください」などの、日本ではよくある言い回しを使用したところ、CCでメールを受け取った現地スタッフがGoogleの翻訳機能で読んで誤解してしまい、経営者と社員の間でもめ事が起きてしまったことがあります。
こちらの文化の謙虚さの解釈は日本とは異なりますので、現地スタッフにうっかり恥をかかせないよう気をつけましょう。